ぶどう栽培を始めてみたけれど、
「害虫対策はどうすればいいの?」
「農薬の種類や撒くタイミングがわからない…」
そんなふうに悩んでいませんか?
実は私も、植え付けて2年目の若木を育てながら、同じように不安を感じていました。
でも安心してください。最低限のポイントを押さえておけば、害虫による被害はグッと減らせます。
この記事では、
- 若木に特に被害が出やすい4種類の害虫
- 見分け方・時期・防除
を分かりやすく紹介しています。

「早く対策していれば…」とならないために、今のうちに備えておきましょう
この記事は、家庭菜園や小規模果樹園でぶどうを育てている方、またはこれからぶどう栽培を始めたい方に向けて書かれています。
ぶどうの葉や実、枝に発生しやすい害虫の種類や被害の特徴、そして効果的な防除・駆除方法について、解説します。
ぶどう栽培を悩ませる害虫被害とその深刻な影響とは
ぶどう栽培では、葉や実、枝にさまざまな害虫が発生しやすく、放置すると収穫量や品質に大きな影響を及ぼします。
害虫による被害は、葉の変色や枯れ、果実の変形や腐敗、木の内部への侵入による樹勢低下など多岐にわたります。
これらの被害を未然に防ぐためには、害虫の種類や発生時期、被害の特徴を正しく知り、早期発見と適切な対策を行うことが重要です。
家庭菜園や果樹園でのぶどう栽培のよくあるトラブル
初心者が直面しやすいトラブルの一つが害虫被害です。
特に春から夏にかけては、葉や実に小さな虫がつきやすく、気づかないうちに被害が広がることも少なくありません。
また、ぶどうの木は長寿命であるため、一度害虫が定着すると翌年以降も被害が続くケースもあります。



こうしたトラブルを防ぐためには、日頃からの観察と早めの対策が欠かせません
ぶどうの害虫対策が大切な理由〜収穫量や品質への影響
ぶどうの害虫対策が重要なのは、収穫量や果実の品質に直結するからです。
害虫による吸汁や食害は、葉の光合成能力を低下させ、果実の肥大や糖度の上昇を妨げます。
また、果実に直接被害が及ぶと、変色や腐敗、商品価値の低下につながります。
さらに、木の内部に侵入する害虫は、樹勢(じゅせい)を著しく弱らせ、最悪の場合は枯死(こし)させてしまうこともあります。



再起不能なダメージになることも・・・恐ろしい
こうしたリスクを避けるためにも、定期的な観察と早期の防除が不可欠です。
害虫被害 | 影響 |
---|---|
葉の食害 | 光合成低下・生育不良 |
果実の吸汁 | 変色・腐敗・品質低下 |
木の内部侵入 | 樹勢低下・枯死リスク |
ぶどうの木・葉・果実につく害虫4種類を解説
ぶどうには多種多様な害虫が発生しますが、特に注意すべき代表的な4種類を紹介します。
それぞれの害虫には発生しやすい時期や被害の特徴があり、見分け方や対策も異なります。
ここでは、各害虫の特徴や発生時期、被害症状をわかりやすくまとめ、一覧で解説します。



ぜひ参考にして、大切な木を守ってくださいね
害虫名 | 主な被害部位 | 発生時期 |
---|---|---|
ブドウスカシバ | 木(幹・枝) | 6〜8月 |
カメムシ類 | 果実・葉 | 6〜9月 |
ハスモンヨトウ(芋虫類) | 新梢・葉 | 6〜10月 |
コウモリガ | 木内部 | 6〜9月 |
ブドウスカシバ(木に入る虫)|被害症状と発生時期
ブドウスカシバは、ぶどうの幹や枝に産卵し、孵化した幼虫が木の内部を食害する害虫です。
発生時期は主に6月から8月で、成虫はスズメバチに似た姿をしています。
被害が進行すると、枝がしおれたり、樹皮に小さな穴や木くずが見られるのが特徴です。
放置すると木の内部が空洞化し、樹勢が著しく低下するため、早期発見と駆除が重要です。
被害枝は切除し、焼却処分することで拡大を防げます。
おすすめの防除法
カメムシ|シャインマスカットも狙う悪臭被害
カメムシは、ぶどうの果実を吸汁し、特有の悪臭を放つ害虫です。
6月から9月にかけて発生しやすく、特にシャインマスカットなど高級品種も被害を受けやすいです。
果実に針を刺して吸汁するため、果皮が変色したり、果実が落下することもあります。
おすすめの防除法
物理的対処
- 防虫ネットで成虫の侵入を予防
- 見つけた場合は捕殺
使用農薬
・ダントツ水溶剤(Amazonリンク)
ダントツ水溶剤は、ぶどうでは「収穫前日まで使用可能」な農薬として登録されています。
ただし、使用回数や希釈倍率などの条件を守ることが前提です。
農林水産省の農薬登録情報検索システムで確認できます。
ハスモンヨトウ(ヨトウ類)|夜間に葉を食い荒らす
ハスモンヨトウをはじめとする「芋虫系害虫(ヨトウムシ類)」
昼間は目立たないため見逃されがちですが、夜間に活動して葉をボロボロに食べたりします。
糞が大量に落ちていたり、葉に穴が空いていたらヨトウムシ類の可能性が高いです。
おすすめの防除法
物理的対処
- 葉裏や果房の影にいる幼虫を見つけ次第、手で除去(早朝や夕方が見つけやすい)
- 防虫ネット
使用農薬
発生初期
ゼンターリ顆粒水和剤 BT水和剤(Amazonリンク)
ゼンターリ顆粒水和剤 BT水和剤は、果樹類では「収穫前日まで使用可能」な農薬として登録されています。
ただし、使用回数や希釈倍率などの条件を守ることが前提です。
農林水産省の農薬登録情報検索システムで確認できます。
日本曹達 殺虫剤 フェニックスフロアブル(Amazonリンク)
日本曹達 殺虫剤 フェニックスフロアブルは、ぶどうでは「収穫14日まで使用可能」な農薬として登録されています。
ただし、使用回数や希釈倍率などの条件を守ることが前提です。
農林水産省の農薬登録情報検索システムで確認できます。
コウモリガ|ぶどうの木内部に入る幼虫被害
コウモリガは、ぶどうの幹や枝に産卵し、孵化した幼虫が木の内部を食害します。
6月から9月にかけて発生しやすく、被害部位には穴や木くずが見られます。
被害が進行すると枝が折れやすくなり、樹勢が著しく低下します。
発見したら被害枝を切除し、焼却処分することが重要です。
おすすめの防除法
物理的対処
- 糞や木くずが出ている箇所を見つけたら、幹や枝を削って中の幼虫を除去
- 幼虫が深く入っている場合は、注射器で薬剤を注入して駆除
- 被害枝は切除して焼却処分し、他の枝への蔓延を防ぐ
使用農薬
スミチオン水和剤 500gは、ぶどうの種類によって散布可能期間が変わりますのでご確認ください
農林水産省の農薬登録情報検索システムで確認できます。
※本記事は実体験および公的情報に基づき執筆していますが、農薬の使用はあくまで自己責任で行ってください。
掲載している農薬の登録内容(使用作物・希釈倍率・使用回数・収穫前日数など)は変更される場合があります。
実際に使用する際は、必ず以下をご確認ください
- 製品に付属しているラベルや説明書
- 農林水産省「農薬登録情報提供システム」での最新情報
- 地域の農協・販売店・専門指導機関の助言
また、使用にあたっては適切な防護(マスク・手袋・長袖)を着用し、周囲への影響にも十分配慮してください。
不安がある場合は、事前に専門機関に相談することをおすすめします。
害虫と間違いやすい病気や生理障害の見分け方
ぶどうの葉や果実に異変が見られる場合、害虫だけでなく病気や生理障害が原因のこともあります。
例えば、葉の斑点や変色は病気によるもの、果実の割れや変形は水分過多や栄養バランスの乱れが原因の場合もあります。
一方、病気や生理障害は、虫が見当たらず、症状が広範囲に及ぶことが多いです。
正確な見分けが適切な対策につながります



害虫被害は、虫の姿や糞、食害痕が残ることが多いですよ
無農薬や家庭栽培向き 物理的・オーガニックな虫対策
ぶどうの害虫対策には、無農薬・オーガニックな方法など、さまざまな手段があります。
家庭菜園や無農薬栽培では、物理的な防除やオーガニック資材を活用した虫対策が有効です。
代表的な方法として、防虫ネットや袋がけ、手での捕殺、粘着シートの設置などがあります。
また、ニームオイルや木酢液などの天然成分を利用したスプレーも人気です。
これらの方法は環境や人体への影響が少なく、安心して使えるのがメリットです。
害虫を寄せ付けにくく、カビや細菌による病気を予防する効果があると言われています。
ただし、木酢液自体に殺虫、殺菌効果はありません。完全に駆除したい場合は薬剤が必要となります。
ぶどう栽培中の病気・害虫を予防する日常管理のコツ
ぶどうの健康な生育と害虫・病気の予防には、日常的な管理が欠かせません。
剪定や施肥、除草などの基本作業を丁寧に行うことで、害虫の発生リスクを大幅に減らすことができます。
また、定期的な観察や薬剤散布のスケジュール管理も重要です。
ここでは、日常管理のコツを具体的に紹介します。
剪定・施肥・除草など健康な生育環境づくり


ぶどうの木を健康に育てるためには、適切な剪定で風通しを良くし、過湿を避けることが大切です。
また、適量の肥料を与え、樹勢を維持することで害虫や病気に強い木になります。
畑の雑草は害虫の隠れ家になるため、こまめに除草しましょう。
これらの基本作業を徹底することで、害虫の発生を未然に防ぐことができます。
発生予防のための定期観察と早期発見法


ぶどうの害虫や病気を未然に防ぐためには、定期的な観察と早期発見が不可欠です。
葉の裏や新梢、果実、幹や枝の状態を細かくチェックしましょう。
特に発生しやすい時期(春から夏)は観察頻度を上げ、虫の卵や幼虫、変色や食害痕などの初期サインを見逃さないことが大切です。
異変を見つけたら、すぐに原因を特定し、適切な防除を行うことで被害の拡大を防げます。
観察記録をつけておくと、発生傾向や効果的な対策の見直しにも役立ちます
効率的な薬剤散布スケジュールと希釈ポイント


薬剤散布は、害虫の発生時期や生育ステージに合わせて計画的に行うことが重要です。
発生初期や幼虫期に散布することで、より高い効果が期待できます。



小さい内に発見できれば、効果はバツグンですよ
薬剤はラベルに記載された希釈倍率を厳守し、均一に散布することがポイントです。
また、同じ薬剤の連用は耐性を生むため、成分の異なる薬剤をローテーションで使いましょう。
散布後は天候や周囲の作物への影響にも注意し、安全な作業を心がけてください。
まとめ
ぶどうの害虫被害を最小限に抑え、安全で高品質な果実を収穫するためには、日々の観察と早めの対策が不可欠です。
症状に応じた適切な管理や、予防的な防除を徹底することで、病害虫リスクを大幅に減らすことができます。
また、収穫前の農薬使用基準を守ることで、安心して食べられるぶどうを育てることができます。
症状に応じた早めの対策と管理で病害虫リスク回避
葉や果実、幹に異変を見つけたら、すぐに原因を特定し、症状に応じた対策を講じましょう。
物理的な除去や、必要に応じて農薬を適切に使うことで、被害の拡大を防げます。
また、剪定や除草、施肥などの基本管理を徹底することで、病害虫に強い健康な木を育てることができます。
早めの対応が、ぶどうの品質と収穫量を守る最大のポイントです。
安全な収穫と品質維持のため今すぐ始める虫の駆除・防除
安全で美味しいぶどうを収穫するためには、農薬の使用基準や収穫前日数を守ることが大切です。
また、収穫直前には物理的な虫の除去や袋がけを徹底し、果実への直接被害を防ぎましょう。
定期的な観察と早期の防除を習慣化することで、毎年安定した品質のぶどうを収穫できます。
今すぐできる対策を始めて、安心・安全なぶどう作りを実現しましょう。
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